Author: Yshirasaki
乾癬(かんせん):ぬり薬の治験を行っています
虫刺され まとめ
海水浴皮膚炎
今年の夏は猛暑で、海水浴に出かける人も多いと思いますが、この時期みられるのがゾエアによる海水浴皮膚炎です。
ゾエアとは、大きさ3mm程のカニやエビなど甲殻類の卵からふ化したプランクトンの一種で、図のように鋭いトゲを持っています。ゾエアは海中の特定の所に集まったり、流れ藻と一緒に浮遊していて、海水浴中に偶然その中に入ってしまうと、刺されて皮膚炎を起こします。海から上がった後に、水着に覆われている場所を中心にチクチクとした痛みやかゆみが生じ気付きます。刺された場合はすぐに水着を脱いでよく水で洗って下さい。しばらくして赤いブツブツが出てきた場合は、ぬり薬を使った方が早く治るので、受診をお勧めしています。流れ藻などにはあまり近づかないよう気をつけて下さい。
蜂(ハチ)アレルギーがあるか調べることが出来ますか?
採血でスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチのIgE抗体を調べるとわかります。
これらのIgE抗体が陽性であれば、ハチに対するアレルギーがあると考えます。ただし、結果が陰性でも次にハチに刺された時にアナフィラキシーショックになる場合もありますし、陽性でもならない場合もあります。今のところ採血だけでは100%白黒をはっきりさせることはできません。
一方もし抗体価が高ければ、エピペンという血圧を上げる携帯用の注射があるので、それを持って頂いた方が安心だと思います。アナフィラキシーショックは急速に進行し救急車を呼んでも間に合わないという場合があるので、エピペンはその間をつなぐ薬です。詳細はメーカーサイトをご覧下さい。
蜂(ハチ)刺され
ハチ刺されが恐いのは、刺されたことで死亡する場合があるからです。日本では年間20人程で、多くは山村など医療機関から遠いところで刺されています。アナフィラキシーショックによる血圧低下と呼吸困難が死亡原因です。
このアナフィラキシーショックは、以前ハチに刺された人でハチアレルギーを持っている方に起こります。多くは刺されて数分以内に発病し急速に進行するので、何か変だと感じたらすぐに救急車を呼んで下さい。1人で病院に行くのは、途中で車を運転できなくなる危険性もあるので避けて下さい。
ポイントは刺された部位以外に何か症状があるかどうかです。
刺された部位以外が赤くなったり、かゆくなったりしている。顔がほてる、何となく調子がわるい、気分がすぐれないなどがアナフィラキシーショックの最初の症状です。次第にのどがイガイガしてきて息苦しくなったり、吐き気や頭痛が起きてきます。
逆に刺された場所とその周りが赤くはれているだけで、体の調子がおかしくなければ、急ぐ必要はありません。特に1時間すぎても刺された部位の反応だけであれば、局所の治療だけを行うことになります。ただハチの場合は、刺された部位もかなりはれ、痛みも伴うので、早めに受診して頂きステロイドのぬり薬などを使う方が良いと思います。
スズメバチは5月頃に女王バチが1匹で巣作りを始めた後、6月頃に働きバチが生まれ、7~9月にかけて働きバチの数が増えて巣が大きくなります。したがって、この8~9月にハチに刺される被害が多くなります。家の周りでも普通にハチがみられ、庭木の手入れや草むしりの時に巣を刺激して刺されることがあるので、注意が必要です。
ハチに刺されないための一般的な注意点は独立行政法人森林総合研究所発行の スズメバチ被害防止パンフレットに詳しく書かれています。この辺りではおとぎの森でもハチが出ますので、子供が刺されないようにご一読をお勧めします。
毛孔性苔癬(二の腕のブツブツ)のレーザー治療
二の腕のブツブツが気になります!
毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は二の腕(うで)の毛穴が写真のように硬くブツブツになりザラザラした感じがする病気です。親からの遺伝の要素が強く、30才までには自然になくなると言われています。しかし、実際は30代でも残っていたり、顔にも同じような症状が出る場合もあります。また、ざらざら感が強い方は、うでを出す季節になると気になると思います。
ただ残念ながら、この毛孔性苔癬を改善する良い方法はいまのところありません。保険診療では保湿剤を使って頂く事が多いのですが、効果は限定的です。
毛孔性苔癬がレーザーで改善する場合があります
一方、脱毛用のレーザーを2~3回当てると、写真のようにざらざら感が目立ちにくくなる場合があります。ただし、この効果は限定的で、数ヶ月で元にもどることがほとんどです。「夏前に処理をして目立ちにくくしておく」、というやり方がいいと思います。
費用は1回10,500円(両二の腕の外側)です。ご希望の方は受診時にお尋ね下さい。
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富山県高岡市駅南3-5-33
皮膚科神経内科 白崎医院
TEL: 0766-25-0012
HP: https://shirasaki-hifuka.com
LINE: @shirasaki-hifuka
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虫刺され(ブヨ)
夏になるとキャンプやハイキングに山へ出かける人も多くなりますが、渓流近くではブヨ(ブユ、ブト)に気をつけて下さい。
ブユは体長4mm程の黒っぽいハエに似た小さい昆虫で、主に朝夕に吸血します(夜間は吸血しません)。口器で皮膚を切って吸血するため、吸血後には小さな出血がみられるのが特徴です。蚊に刺された時より強くはれることが多く、治るまでの期間も数日~10日と長いので、ステロイド外用剤、あるいはステロイドの飲み薬によるしっかりとした治療が必要です。自然に治ると思って放っておくとシコリになり半年たっても残る場合がある<ので気をつけて下さい。
肌を露出した部分から吸血するので、露出を避けて、電池式蚊取りなどを使用で予防して下さい。
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虫刺され(ダニ)
夏になり体がかゆくなると、ダニに刺されたと思い受診される方が多いですが、実際にはダニ以外が原因のことが結構あります。何が原因か分からないときは皮膚科を受診をお勧めしますが(もちろん、皮膚症状をみただけで100%どの虫かは同定できません)、ダニだとはっきりしている時は以下を参考に対策を行って下さい。
イエダニ
ツメダニ
体長0.5~0.8mmの大きさで、じゅうたんや畳に発生するヒョウヒダニ類を捕食して生活しています。偶然人の皮膚に触れた時に刺すと考えられているので、肌を露出した部位に症状が現れます。夏の高温多湿の環境でヒョウヒダニが増えたときにツメダニも増えるので注意が必要です。殺虫剤の使用以外に、部屋を乾燥させ十分な清掃を行って下さい。
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虫刺され(蚊の予防対策)
虫刺されを起こす蚊には主に2種類あります。特性が異なるので、予防対策も異なります。
〈アカイエカ〉
蚊が室内に入らないように網戸を常にしっかり閉めておく必要があります。寝室は寝る前に電気蚊取りなどで殺虫しておくとよいでしょう。ダニではないので、バルサンのように部屋を閉め切って煙りをたく必要はありません。
〈ヒトスジシマカ〉
外に出るときは肌の露出を抑え、虫除け剤を使用して下さい。
蚊の写真は虫NAVIから許可を得て転載させて頂きました。ありがとうございます。