子供の紫外線対策

生涯に当たる全紫外線量の半分は18歳までに浴びてしまうことをご存じですか?

子供の紫外線対策

また、子供は細胞分裂が大人に比べ盛んで、紫外線で傷ついた遺伝子が間違って修復されやすいため、紫外線の悪い影響をより受けやすいと考えられます。
実際、オーストリアで行われた白人の疫学調査では子供の頃に強い紫外線を浴びた人の方が、大人になってより皮膚ガンになりやりやすかったと報告されています。

つまり、子供の頃から無駄な日焼けを避けることが、将来若々しい健康な肌を維持するために必要なのです。
子供は外で元気に遊ばせることも大切なので、その時は次の点に気をつける必要があります。

1)紫外線の多い10時~15時までは屋外で過ごすのを控える。
2)帽子をかぶる、上着を着るようにする。
3)日焼け止めを必ず使い、ぬり直すようにする。

20130609-UVfamily日常使う日焼け止めはどんなものでも構いませんが、当院では肌にやさしく、水で洗い流せるタイプのものをお勧めしています。

着色料、パラベンなどの防腐剤、香料、紫外線吸収剤はかぶれの原因になるので、これらを含まない製品がいいでしょう。
なお、曇でも晴れの日の70%は紫外線が出ているので、曇でも日焼け止めをつけるのを忘れないようにして下さい。

紫外線治療 ~北陸で唯一、3種類の方法で治療しています~

日光浴は昔から体に良いと考えられ、古代エジプトでも治療に使われていました。日光に含まれる紫外線は白く抜けた皮膚の色を戻すだけではなく、通常の治療で治らないアトピー性皮膚炎や乾癬のかゆみや赤みを減らしたり、円形脱毛症の治療にも応用されています。白崎医院では下に示す3種類の照射機を使い分けてこの紫外線治療を行なっています。

1)プバ(PUVA)
 昔から行なわれている方法です。紫外線の吸収を良くする薬をぬったり、その薬を入れた風呂に入った後に紫外線A波(UVA)を照射します。他の2つの方法に比べて皮膚深くまで光が届くので、より良く効くと考えています。風呂に入って照射する方法が最も治療後の色素沈着が少ないので、白崎医院ではこの方法を使っていますが、風呂に入る煩わしさが欠点です。

2)ナローバンドUVB

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 数年前から使用されることが多くなった方法です。以前は図にあるように紫外線B波(UVB)全体を当てていて、強い色素沈着が後に残り問題だったのですが、311nm(ナノメーター)の光だけが出るナローバンドUVBが開発されてからはこの問題は少なくなりました。ナローバンドUVBはプバと異なり、20秒~3分程を当てるだけで簡便なので、現在は使用頻度が最も多くなっています。また、白斑(白なまず)に関してはプバに比べナローバンドUVBの方が色素再生が優れています。

3)エキシマライト
 最近開発された機械で、ナローバンドUVBに近い308nmの光で治療します。この方法の特徴は、ランプが小さいので、狭い範囲を当てるのに適しています。逆にプバとナローバンドUVBは病気が広範囲の場合に使用しています。エキシマライトは当てる範囲が4cm大と小さい分、密度が強くなるので、1回数秒~20秒で治療が終了します。健康な皮膚に当てなくて済むようになったのも大きなメリットです。

〈紫外線治療が効く病気〉
 効果がある病気はアトピー性皮膚炎、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、白斑(白なまず)、菌状息肉症(皮膚リンパ腫)です。保険適応にはなっていませんが、他の治療で良くならない円形脱毛症、痒疹(ようしん)、手荒れ、多形紅斑にも効くこともあります。

〈紫外線治療の副作用〉
 紫外線治療の副作用は、当てすぎによる日焼けやヤケド、回数を重ねることによる色素沈着があります。赤みのある皮膚病は治療を行わなくても色素沈着が生じるので、紫外線治療の副作用と区別がつかない場合があります。また、500回以上照射した場合は、高齢になった時に皮膚ガンができる可能性が上がると言われています。500回は週1回当てて10年かかるので、そこまで当てる人は余りいないのですが、多く当てた場合は治療終了後、定期的に皮膚ガン検診を受けて頂いています。
 逆に、紫外線治療には肝臓や腎臓などの内蔵を悪くしたり、免疫を抑えるなどの副作用がないので、高齢者、薬を何種類も服用している方、他の病気をお持ちの方でも安全に行えます。

春の紫外線にはご注意を -2-

Q: 光老化を防ぐためにはどのような対策を行えばいいのですか?
A: まずは強い紫外線を避けることが重要です。いつ紫外線が強いのかを知っていれば、紫外線を上手に避けることが出来ます。


Q: ではいつ頃紫外線が強いのですか?
A: 夏に紫外線が多いのは当然ですが、先ほど話したように、5月頃から夏並みの紫外線が出ている日があり注意が必要です。1日のうちでは、午前10時から午後2時までの4時間に1日の紫外線の6割が出ているので、この時間の外出を避けることも大事です。

紫外線は天気によっても変わります。快晴の日は多いのですが、曇でも晴れの日の70%、雨の日でも30%の紫外線が出ています。よく、暑くないので紫外線が強くないと思っている人がいますが、これは間違いです。日光による暖かさは赤外線によるものなので、暑さを感じない時でも、紫外線が多い場合があります。

梅雨を過ぎれば、みなさんも山や海に行く機会が増えると思います。山に行くと涼しくなりますが、標高が上がれば紫外線の量は多くなります。また、海では海水面や砂浜からの照り返しが強いので、注意が必要です。


Q: 紫外線の強い時に外出しなければならない場合はどうすれば良いですか?
A: 日陰を歩く、帽子や日傘、サングラス、それから最近ではUVカット加工をしてある洋服を着ることなどが重要です。また、必ず日焼け止めを使うようにして下さい。


Q: お勧めの日焼け止めはありますか?
A: 日焼け止めに表示してある数字はご存じですか。これはSPFという値で,値が大きい程、紫外線に対する防御効果があります。ところで、地上に届く紫外線にはA波とB波の2つがあります。実は、SPFはB波を防ぐ能力を表しているのです。B波は日焼けや光老化に関係した紫外線なので、これを防御することは大事ですが、A波を防ぐこともおろそかにしてはいけません。A波はB波よりも皮膚の奥深くまで到達しますし、窓ガラスでブロックされるB波と違い、A波は窓ガラスも通過します。このA波を防ぐ能力がPAという表示で、+、++、+++というようにパッケージに書かれています。当然3+の方がA波を防ぐ能力が高いということになります。

日常生活で紫外線を予防するためには、SPF30、PA+++程度のものがお勧めです。日焼け止めは薄く塗っても規定の効果が出ませんので、顔だと真珠の玉2個分位を全体にのばしてください。また3時間に1回くらい塗り替えるほうが確実です。塗る場所で、意外と忘れやすいのがうなじや、耳たぶ、胸、首、手の甲です。これらの部位にもきちんと塗りましょう。なお、最近の製品には落ちにくいものがあり、その場合、夜にはきちんと専用のクレンジングなどで洗い落とすことが大切です。

 それから、まれに、日焼け止めが合わない人がいます。日焼け止めの主成分には紫外線吸収剤と散乱剤があるのですが、吸収剤はかぶれることがあります。ですから肌の弱い人は,ノンケミカルとか吸収剤未使用などと表示されている散乱剤だけの製品が良いでしょう。ただし,強い遮断力を必要とする場合は、吸収剤入りの方がやはり効果的です。

最後に、シミやしわが気になる場合は、紫外線を避けるのが一番なのですが、できてしまったシミやしわに関しては、皮膚科でご相談されるのも1つの方法だと思います。

春の紫外線にはご注意を -1-

Q: なぜ春の紫外線に注意が必要なのでしょうか?
A: 紫外線は、真夏の方が強いと思っている方も多いと思いますが、5月頃からは8月とほぼ同じ程度の紫外線が出ています。ですから、紫外線対策は梅雨まえから始める必要があります。

Q: 紫外線対策をしないとどうなりますか?
A: 紫外線に当たって日焼けをするのは当然として、日焼けをしない量でもそれが積み重なると皮膚の老化につながります。このような老化を専門用語では、光老化(ひかり ろうか)と言って、年齢を重ねることで生じる老化とは区別しています。

Q: 具体的には光老化とはどのような症状が出るのですか?
A: 光老化では、皮膚のハリがなくなり、シミやしわが目立つようになります。年配の方の顔にはシミやしわが多く、またイボ状の変化も見られますが、日光を浴びていない太ももは色が白く、柔らかで、深いしわはありません。通常の老化が40歳を超えた頃から意識するのに対し、光老化による顔のシミは、まだ若い20歳から見られるのが特徴です。

紫外線の多い鹿児島と少ない秋田で、女性の顔のシミを比較した調査があります。この調査では、シミの数は鹿児島の60才の女性と秋田の40才の女性が同じ程度だったそうです。紫外線がいかにしみに大きな影響を及ぼすかがわかると思います。

Q: 紫外線を浴びると皮膚ガンができやすくなりますか?
A: 真夏の昼間に1時間紫外線を浴びると、皮膚の遺伝子に約10万個の傷が出来ます。もちろん傷は直ぐに修復されますが、長年にわたり繰り返し紫外線で傷つけられると、傷の直し間違いが起こります。その部分がたまたまガンに関わる遺伝子であった場合、皮膚ガンになります。

白人では、10歳までの紫外線に当たった量が多いと、皮膚ガンの発生率が3~5倍高くなると言われています。我々日本人の皮膚は、白人の皮膚とは異なりますが、日光浴は繰り返して行うことは避けた方が無難だと思われます。

Q: 日光浴は健康に良いイメージがありますが、紫外線が身体のためになることはないのですか?
A: 骨を作るのに必要なビタミンDの合成に紫外線は必要です。しかし、これはわざわざ日光浴をしなくても、知らず知らずに浴びてしまう程度の紫外線で十分です。また、皮膚科では紫外線の性質をうまく利用して乾癬(かんせん)やアトピ-性皮膚炎などの治りにくい皮膚病の治療に利用しています。

このように、紫外線は良い面もありますが、どちらかといえば悪い面の方が多いと考えられます。