紫外線治療 ~3種類の方法で治療しています~

日光浴は昔から体に良いと考えられ、古代エジプトでも治療に使われていました。日光に含まれる紫外線は白く抜けた皮膚の色を戻すだけでなく、アトピー性皮膚炎や乾癬のかゆみや赤みを減らし、円形脱毛症にも効果があることが分かっています。白崎医院ではぬり薬などの治療で治らない病気に、副作用の少ない紫外線治療を追加で行い効果を上げています。

〈紫外線治療が効く病気〉
 効果がある病気はアトピー性皮膚炎、乾癬、類乾癬、掌蹠膿疱症、白斑(白なまず)、円形脱毛症、菌状息肉症(皮膚リンパ腫)です。保険適応にはなっていませんが、他の治療で良くならない痒疹(ようしん)、手荒れ、多形紅斑にも効くこともあります。
 また、紫外線治療は妊娠中でも照射可能ため、妊娠に関連した強いかゆみを引き起こす病気にも使用できます。

〈紫外線治療の方法〉
1)プバ(PUVA)
 昔から行なわれている照射方法です。他のやり方に比べて手間がかかりますが、最も治療効果があります
 紫外線の吸収を良くする薬を入れた風呂に入った後に紫外線A波(UVA)を照射します。A波はB波より皮膚深くまで光が届くのが、下の2つの方法に比べて効果的な理由です。特に手のひらや足の裏など皮膚が元々厚い場所はプバが良いと考えています。風呂に入らずに体に薬を塗るだけでもいいのですが、風呂に入って照射した方が治療後の色素沈着が少なくなるので、白崎医院ではこの方法を使っています。ただし、風呂に入る煩わしさが欠点です。

2)ナローバンドUVB

20120923-UVwave2

 照射が簡便で、広い範囲を一度に照射できるため現在主流の方法です。
 以前は紫外線B波(UVB)全体をブロードに当てていて、強い色素沈着が後に残っていましたが、311nm(ナノメーター)の光だけが出るナローバンドUVBが開発されてからはこの問題は少なくなりました。311nmの光は紫外線による治療効果はそのままで、副作用の日焼け反応を極力減らした光とお考え下さい。この光を患部に20秒~3分程当てるだけなので治療は簡便です。最初は週に1〜2回の照射が必要ですから、通院はある程度必要です(よくなった後は月1回程度でも大丈夫なことが多いです)


3)エキシマライト
 狭い範囲を照射するのに適しています。
エキシマライトです 
エキシマライトはナローバンドUVBに近い308nmの光を照射できる機械です。エキシマの特徴はランプが小さいので、狭い範囲を当てるのに適しています。エキシマは当てる範囲が5cm大と小さい分、1回数秒~20秒と短時間で治療が終了します。健康な皮膚に当てなくて済むようになったのも大きなメリットですし、髪の毛が邪魔をする頭の中の皮疹にも有効です。

〈紫外線治療の副作用〉
 紫外線治療の副作用は、当てすぎによる日焼けやヤケド、回数を重ねることによる色素沈着やそばかす様のシミの出現があります。あくまで副作用は照射部位のみに生じる可能性があり、照射していない皮膚には副作用は生じません。また、500回以上照射した場合は、高齢になった時に皮膚ガンができる可能性が上がると言われています。500回は週1回当てて10年かかるので、そこまで当てる人はほとんどいませんが、多数回当てた場合は治療終了後、定期的に皮膚ガン検診を受けて頂いています。
 逆に、紫外線治療には肝臓や腎臓などの内蔵を悪くしたり、免疫を抑えるなどの副作用がないので、高齢者、薬を何種類も服用している方、他の病気をお持ちの方、妊娠中や授乳中の方でも安全に行えます。