ディフェリンゲル

ディフェリンゲルはもう古い?

ディフェリン写真ベピオ、デュアックと立て続けに新しいニキビのぬり薬が最近発売されました。「以前から使っているディフェリンはもう古いの?」と思われるかもしれませんが、新しい薬に取って代わられる訳ではありません。これまでは、ほとんどのニキビ患者さんにディフェリンを処方していましたが、これからは患者さんのニキビの状態や肌質に合わせてディフェリン、ベピオ、デュアックを使い分けたり、ニキビの治りにくい方には2剤を一緒に使ったりしていきます。

ディフェリンゲルとは?

ここで、おさらい。ディフェリンはニキビの「面ぽう」を改善させる薬でしたよね。以前、ディフェリンが発売された頃に書いたブログも参考にして下さい。

面ぽう「面ぽう」は赤ニキビの前段階の白色や黒色の小さなブツブツ(写真)で、毛穴がつまり、中に皮脂や垢(あか)がたまっている状態です。次々と新しい赤ニキビが出てくるのはこの「面ぽう」が残っているから。ディフェリンで毛穴のつまりを改善させ、面ぽうを治します。

 

 

ディフェリン機序1少し専門的な話しをすると、皮膚は常に新しい細胞が基底層で作られ、古い細胞が角質層から脱落することで、一定の厚みを保つようになっています。「面ぽう」は男性ホルモンやニキビ菌の影響で細胞同士がくっついたまま脱落しにくくなり、その結果、毛穴の入口の皮膚が厚くなり毛穴がつまります。

 

ディフェリン機序2ディフェリンは色々な段階を踏んで、最終的に角質層の細胞同士をはがれやすくして毛穴のつまりを改善させるのです。

 

 

スクリーンショット 2015-07-31 06.59.07一方、ベピオやデュアックに含まれている過酸化ベンゾイルも、ディフェリンとは別の仕組みで「面ぽう」を改善させる効果があります。過酸化ベンゾイルの分解で生じたフリーラジカルが角質層の細胞をくっつけているタンパク質を変性させ、角質細胞同士の結合を低下させ毛穴のつまりをなくします。ディフェリンはいくつもの段階を踏むに対し、過酸化ベンゾイルはより直接的に働く感じですね。そのためか、過酸化ベンゾイルの方が使い始めはディフェリンより早く効く印象があります。

ディフェリンゲルの刺激症状

ディフェリン副作用ディフェリンはニキビの治療に必要な薬ですが、毛穴以外の皮膚の角質層の細胞もはがれ落とすため、刺激症状が出現します。

カサカサする、ヒリヒリする、カワがむける、化粧水がしみる、赤くなる、かゆくなるといった症状が2週間目までに表れます。ただ、右のグラフのように2週間以上使い続けると、このような症状の出現は減っていくことがわかっています。最初だけ我慢してもらえれば少しずつ皮ふが慣れていきます。

ただ乾燥肌の人やアトピー性皮膚炎の人は刺激症状が強くてどうしても続けられない場合があります。その場合は刺激症状を治す必要がありますから、一度受診して下さいね。

 ディフェリンゲルを上手に使う方法

つける前に必ず保湿剤を併用し以下の順で使うことをお勧めしています。まず額から試すのも良い方法です。額は比較的皮脂が多いところ。まずここで感触を確かめてから顔全体に使って下さい。

ディフェリン使い方

 

ニキビ用の化粧水は角質層を剥離する成分を含む場合があるため避けて、普通のもの、あるいは乾燥肌や敏感肌用をお使いください。洗顔も普通の石けんで十分です。ピーリング石けんやスクラブ入りの石けんはディフェリン使用中は不要です。また、プロアクティブも一緒に使うと刺激症状が強く出る場合があるため許可があるまでは併用しないで下さい。

白崎医院では乾燥肌の方が使う場合は他の方法もお勧めしています。詳しくは診察時にお伝えします。

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