新しいニキビのぬり薬ディフェリンゲル(一般名アダパレン adapalene)が日本でも使えるようになりました

1994年にフランスで、1996年にはアメリカで承認されていたディフェリンゲルがようやく2008年10月に日本でも承認され、白崎医院で使用できるようになりました。ディフェリンゲルはニキビの原因になる毛穴のつまりを改善させるぬり薬です。日本にはこれまで毛穴のつまりを除く薬がなかったので、今後はニキビ治療が良い方向に大きく変わっていくと思います。

 幸い私は金沢大学附属病院で勤務している時に、ディフェリンゲルを患者さんに使っていたことがあります。臨床治験と言って、新しい薬を患者さんに試してもらい効果や副作用を検討する機会があったからです。新しい薬は必ずこのステップを踏み、効果が高く副作用が少ない薬だけが厚生労働省に認可されることになっています。多少ぬったところが赤くなったりする刺激症状は出るものの充分許容範囲で、それよりもニキビがよく治り、参加してもらった患者さんがたいへん満足していたというのが私の印象でした。それ以来、この薬が早く使えるようになればと思っていましたが、発売まで何と4年間も待たされることになりました。

 そもそも、ニキビは以下の2つのことで出来る病気です。1つは毛穴の出口がつまり毛穴に皮脂が貯まること、もう1つはその毛穴の中でニキビ菌が増えて炎症が起こることです。当然、毛穴のつまりをなくして、ニキビ菌を殺せばニキビがよくなることが理解できるかと思います。ところが、2008年の10月まではニキビ菌を殺す薬しか認可されていませんでした。したがって、出来てしまった赤いニキビは治りますが、つまりがとれないので、ニキビを新しくできないようにするにはピーリングなどの別の方法が必要でした。

 もちろんディフェリンゲルが出たからといっても、すべての人のニキビが撲滅されるわけではありません。ただ、これまでよりはニキビがきれいに治る人が増えると思います。白崎医院では、このディフェリンゲルを上手に使いながら、それでも治りにくい方には、ピーリングやレーザー治療を行う予定です。ディフェリンゲルの詳しい使い方の説明は診察時にお渡しします。