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食物アレルギー

食物アレルギーとは

食物アレルギーは、特定の食品を摂取した際に免疫反応が過剰に起こる状態です。かゆみや湿疹、口の中の違和感などが主な症状で、特に子供のアトピーと関連が深いことがあります。果物を食べた際に口の中がイガイガする症状は、果物アレルギーや口腔アレルギー症候群の可能性もあります。そのため、アレルギーが疑われる場合は、原因食品を特定するための検査を行い、適切な治療や予防策を取ることが重要です。

食物アレルギーは以下の4つのタイプに分類されます

  1. 食物が原因のじんま疹
  2. 食物アレルギーが関与する乳児アトピー性皮膚炎
  3. 口腔アレルギー症候群
  4. 食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)

①食物が原因のじんま疹

食べて1時間以内に皮膚が赤くかゆくなるのが特徴で、数時間以上経ってから症状が出現する場合は、その食べ物が原因でないことがほとんどです。
以下の2つに分けられます。

  1. アレルギーが関与:卵、牛乳、エビ、そば、果物など:疑わしい食品を血液検査で調べて、原因の特定を目指します
  2. アレルギーが関与しない:青魚、タケノコ、ほうれん草など:食品そのものにヒスタミンというかゆみ物質が含まれているためにじんま疹が出現します。食品の鮮度や自分の体調などによって出たり出なかったりします。血液検査は不要です。

食品そのものにヒスタミンというかゆみ物質が含まれているためにじんま疹が出現します。食品の鮮度や自分の体調などによって出たり出なかったりします。血液検査は不要です。

食物アレルギーが関与する乳児アトピー性皮膚炎

多くの乳児のアトピー性皮膚炎は、食べ物のアレルギーが原因ではなく、主に汗やよだれ、肌のこすれが影響しています。しかし、適切なステロイドの塗り薬やスキンケアを行っても皮膚炎が改善しない場合は、食物アレルギーとの関連を疑い、血液検査を行います。また、アトピー性皮膚炎の患者さんに食物が原因のじんま疹がみられることがあります。食物がアトピーを直接悪化させているわけではありませんが、かゆいじんま疹をこすっているうちにアトピーの悪化がみられます。

肌荒れが食物アレルギーを引き起こす?

アレルギーはいきなり発症するわけではありません。「感作」といって、アレルギーの原因食物を免疫細胞が認識する段階が必要です。準備段階である「感作」が完成して、その次に同じ食物が入ってくると食物アレルギーの症状が出現します。昔は赤ちゃんの未熟な腸で、この「感作」が起こると考えられていました。そのため授乳中のお母さんの食事から卵を制限していた時期もありましたが、食物アレルギーが減るどころか逆に増えてしまったので、この考えは現在否定されています。2008年にLack G先生が荒れた皮膚から入ってきた食物で「感作」が起こると提唱されました。皮膚で「感作」が起こり、次に同じ食べ物を口から食べた時に食物アレルギーが発症すると現在は考えられています。したがって、「ステロイド外用剤や保湿剤を使って皮膚をきれいな状態に保つこと」が食物アレルギーの予防に重要です。

皮膚バリアー機能

健康な皮膚はバリアー機能といって、外界からの菌、異物、アレルギーの元になるダニやホコリなどの侵入を防いでくれる働きが備わっています。アトピー性皮膚炎や乾燥している人の肌はこのバリアー機能の低下を認め、さらにかゆみや湿疹がある部位はより容易に異物が侵入しやすい状態になっています。 湿疹の部位はステロイド外用剤を、乾燥だけのところは保湿剤をしっかりつけることで、皮膚バリアー機能が健康な人のレベルまで戻ります。小さい子供ほど皮膚の状態をキレイに保つことが大切ですよ。

③口腔アレルギー症候群(OAS:Oral allegy syndrome)

リンゴ、桃、メロン、ナシ、サクランボ、キウイ、トマトなどの果物や野菜を食べて5分以内に口の中のイガイガ感、違和感、刺激感、腫れ、かゆみが出てくる病気です。ひどくなると体にじんま疹が出たり、血圧が下がることもありますが、一般に症状は口の中に限局しています。これは果物や野菜などに含まれるアレルギーの元(抗原といいます)が消化酵素で分解され無害になるためです。また熱にも弱いため加熱した場合は症状が出ないことが多いと言われています。

花粉症と口腔アレルギー症候群

果物と花粉症を起こす植物は似たもの同士。別々に進化したけど、今でも共通する物質を含んでいます。 そのため、例えば白樺の花粉症があるとリンゴや桃でこの病気が起こったり、ブタクサやヨモギの花粉症があるとキウイやメロンを食べると口の中がイガイガする場合があります。

ラテックスアレルギー

ラテックスはゴムの木から抽出されるゴム製品の原料です。このラテックスに触れると、触れた部位に5分程でじんま疹が出現します。ひどくなると全身に広がり、ショックになることもあります。ラテックスは手袋やカテーテルなどの医療用具や炊事用手袋、ゴム風船、コンドームなどの日用品に含まれています。 ゴムは食べませんが、ラテックスアレルギーの原因物質はバナナ、アボガド、キウイ、クリなどにも含まれていて、患者さんがこれらの食物を食べるとじんま疹が出現します。ラテックス-フルーツ症候群といわれています。

④食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)

この病気は、特定の食物を摂取した後に運動することでアレルギー反応が引き起こされるものです。小麦やエビ、イカ、カニ、ブドウなどが原因食物として知られており、通常はその食物を単独で摂取しただけではアレルギー反応は起こりません。しかし、食後に運動を行うことで、未消化のアレルゲンが腸から吸収され、アレルギー反応が引き起こされることがあります。

例えば、「昼食にパンを食べた後、体育をしたらじんま疹が出て息苦しくなった」であれば、小麦が原因と考えられ、食後の運動がアレルギー反応を誘発した可能性が高いです。これを予防するためには、原因食物を摂取した後に少なくとも4時間は運動を控えることが推奨されます。

「茶のしずく」事件

2009年頃から成人女性に顔、特に目の周りに赤みや腫れが生じる小麦アレルギーの方が報告されるようになりました。顔だけに症状が強く出るのがこれまでの小麦アレルギーと異なり、さらにほとんどの方が加水分解小麦を含む洗顔石鹸(茶のしずく)を使用されていました。「茶のしずく」にはもちもちの泡を作るために、加水分解小麦の中でも分子量の大きいものが多く含まれいて、これが目や鼻の粘膜から吸収され小麦アレルギーになったと後に判明。肌が弱い方は食物由来の成分を含む石鹸や化粧品は使用しない方がいいですね。

納豆アレルギー

食物アレルギー(アトピー以外)は即時型といって、食べた食後に起こりますが、納豆は食べて半日後にやっとアレルギーが出現します。遅くなる理由は、アレルギーの原因が納豆のネバネバにあるためです。ネバネバに含まれるポリガンマグルタミン酸(PGA)という高分子タンパクが原因物質で、PGAがゆっくりと消化された後でしか症状が出現しないため時間がかかるのです。ネバネバが原因なので、大豆そのものにはアレルギーを起こしません。ただし、このPGAは最近食品のうま味剤や化粧品の保湿剤などに含まれているため注意が必要です。ところで納豆アレルギーはサーファーに多いそうです。サーファーはクラゲに刺されることが多く、刺されるとクラゲが作るPGAが体内に入り、その時に「感作」されることが推測させれています。
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