酒さ、酒さ様皮膚炎とは
酒さや酒さ様皮膚炎は、両頬や鼻が赤くなる「赤ら顔」の一種です。赤みは温度変化で強まり、消えにくいことが特徴です。細い血管が見える場合もあり、進行するとニキビに似た赤いブツブツや膿を持つブツブツが現れます。病名に「酒」の文字が含まれていますが、アルコールや食事が原因ではありません。酒さの原因は不明ですが、体質、紫外線、刺激、皮膚の微生物が影響していると考えられています。酒さ様皮膚炎は、主にステロイド外用剤の使用が原因です。

治療方法
1.病気の特定と診断
他の皮膚疾患との区別を行うため、必要に応じて皮膚生検(皮膚の一部を切り取り、病理検査を行う方法)を実施します。
2. 薬物治療
- 抗生物質の使用:症状の程度に応じて、ミノマイシン(ミノサイクリン)などの抗生物質を処方します。
- プロトピック軟膏:初期段階の治療で用いられますが、酒さ様皮膚炎との関連が報告されているため、症状が落ち着いた後はワセリンや保湿剤への切り替えが推奨されます。
- 当院では、メトロニダゾール成分を含むロゼックスを使用した治療を行っています。
3. レーザー治療
- 血管の拡張が目立つ場合は、薬だけでの改善が難しいため、レーザー治療が最適な選択となります。
日常のケア
酒さの日常ケアは、症状を悪化させないために慎重に行うことが大切です。以下のようなポイントに気をつけましょう。
1. 顔の洗い方
- 優しく洗う:顔は刺激しないよう、優しく洗いましょう。摩擦を避けるため、指の腹で丁寧に洗い、こすらないように注意してください。
- 柔らかいタオルで軽く拭く:洗顔後、タオルで軽く押さえるように水分を取り、こすらないようにしましょう。
- 石けんは使用可能:低刺激性の石けんを選び、肌を乾燥させないようにするのが理想です。
2. 避けるべき行動
- 長風呂や暖かい部屋に長時間いることは、血管が拡張して赤みが強くなる原因となるため、控えましょう。
- 刺激物を避ける:辛い食べ物や熱い飲み物、アルコール、タバコは血管を拡張させ、赤みを悪化させることがあります。これらの摂取はできるだけ控えましょう。
3. 紫外線対策
- 日焼け止めの使用:紫外線は酒さの悪化要因となるため、日常的に日焼け止めを使用することが重要です。低刺激で敏感肌用のものを選ぶと良いでしょう。
4. その他のポイント
- 過度な温度変化を避ける:急激な温度変化(例:冬の屋外から暖房の効いた室内に入るなど)は酒さの症状を悪化させる可能性があります。
- ストレス管理:ストレスも酒さを悪化させる要因となるため、リラックスした生活を心がけると良いです。
これらの日常ケアを心がけることで、症状の悪化を防ぎ、酒さのコントロールに役立てることができます。
Q&A
Q:酒さ、酒さ様皮膚炎は他院では治らないと言われました。
A:確かに治りにくい病気の1つです。通常の治療法ではよくならなくても、塗り薬やレーザー治療で改善する場合もあるので、ご相談下さい。
Q:赤みは完全になくなりますか?
A:個人差があり、治療により良くなっていきますが、改善しても赤ら顔が少し残る場合はあります。
Q:治療によるリバウンドはありますか?
A:リバウンドはありませんが、治療の過程で一時的に皮膚の赤みが強く出ることもあります。事前に説明しますので、ご安心下さい。