ほくろの除去手術について
ほくろ除去は、ほくろの種類や患者さんのご希望に応じて、以下の3つの方法から選択しています。
- 手術
- 炭酸ガスレーザー
- シミ取り用ピコレーザー
傷跡が最も残りにくい方法を基準に決めており、顔と体では治療方法が異なります。顔以外のほくろの場合、手術で除去する方が傷跡が目立ちにくくなります。顔のほくろの場合、炭酸ガスレーザーで削るか、手術で取り除くかをほくろの大きさや位置に応じて選択しますので、診察時にご相談ください。
また、シミ取り用ピコレーザーは、ほとんど傷跡が残らない方法ですが、1回で完全に取り除くことは難しく、色が薄くなる程度の治療です。そのため、この方法をご希望の方のみ対象としています。

1)手術
ほくろの除去手術は、切り方により2つの方法に分けられます。1つは、ほくろを含めて皮膚を長めに切る「紡錘形切除」、もう1つはほくろだけをくり抜く「くり抜き法」です。

紡錘形切除
紡錘形切除では、切った後に皮膚をていねいに縫い合わせ、しわのラインに沿うように線状の傷跡を作ります。これにより、傷跡が目立ちにくくなります。

くり抜き法
くり抜き法は、ほくろをくり抜いた後に穴が残ります。この部分は治癒の過程で傷がふさがるように、傷を治す専用のテープを貼って保護します。

どちらの方法が最適かは、ほくろの大きさや形、できている場所によって選択しますので、医師と相談しながら決定します。
2)炭酸ガスレーザー CO2RE(コア)
炭酸ガスレーザーは、ほくろの表面から少しずつ皮膚を削り取るレーザー治療です。ほくろの色がなくなる深さまで削りますが、削りすぎると治りが遅くなるため、なるべく浅めに調整しています。もし色素が少し残った場合は、仕上げとしてシミ取り用ピコレーザーを使用します。
白崎医院では、痛みを軽減するスキャン機能付きの最新式炭酸ガスレーザーを使用しています。手術の前に麻酔テープを貼るだけで済むので、麻酔注射は不要です。施術も短時間で完了します。ただし、この方法はほくろの細胞が一部残ることがあり、時間が経つと再発する可能性があります。傷が早く治ることを重視し、「再発した場合は再度削ることができる」と考える方に適した治療です。


3)シミ取り用ピコレーザー
シミ取り用ピコレーザーは、ほくろの色を薄くする効果がありますが、このレーザーだけでは何回施術してもほくろを完全に消すことはできません。効果はあくまで「少し薄くなる程度」と考えてください。
ただし、この方法のメリットは傷跡がほとんど残らないことです。傷を目立たせたくない方にはおすすめの方法です。ただし、期待したほど薄くならない場合もあるため、その場合は他の治療方法を検討することをおすすめします。

〈シミ取り用ピコレーザーでホクロがとれない理由〉
平らなホクロとシミは色が似ていますが、皮膚の中をのぞいてみると全く異なるため、治療方法も同じというわけにはいきません。シミがレーザーで傷跡も残さずにきれいに取れることが多いのに対し、ほくろはあまり取れません。その理由は・・・
シミはメラニン色素(茶色のつぶつぶ)だけで、ホクロの細胞はありません。メラニン色素の量も少なく、浅いところにあるので、メラニン色素を破壊するシミ取り用ピコレーザーで破壊すると、2週間ほどで垢と一緒に壊されたメラニン色素が皮膚の外に簡単に排出されてしまいます。一方のホクロ。断面図をみるとホクロの細胞(紫のつぶつぶが)とメラニン色素(茶色のつぶつぶ)があるのがわかります。表面に近いホクロの細胞ほど茶色のメラニン色素がより多く含まれています。シミ取り用ピコレーザーをホクロに当てるとメラニン色素は少し減りますが、シミに比べメラニン色素の量が多く、少し深い位置にあるため、すべて消すことは困難です。もちろんホクロの細胞も残ります。
やはり、傷跡は残りますが、少なくとも上の方は炭酸ガスレーザーでホクロの細胞ごと削って、下の方のメラニン色素はシミ取り用ピコレーザーで除去する方が良いと思います。

ホクロの治療費用
ピコレーザー
5500円〜
コアレーザー
8800円〜