赤ら顔とは
赤ら顔は、顔の血管が拡張することで生じる赤みが目立つ状態を指します。この状態では、以下のような症状がみられることがあります。
- 顔が赤くなり、顔の血管が目立つ
- 赤色のシミやできものができる
- 手足の血管も目立つ
- 生まれつき赤あざがある
さまざまな病気が原因となり、血管に血液がたまることで赤みが持続します。お風呂上がりや緊張した際に一時的に顔が赤くなるのは一般的ですが、長時間赤みが残る場合は治療が必要です。湿疹やアトピー、酒さなどが原因となることが多く、正確な診断が重要です。

赤ら顔はさまざまな病気が原因で生じます
湿疹・アトピー性皮膚炎
顔の赤みは、湿疹やアトピー性皮膚炎によって起こることがあります。ステロイド外用剤やプロトピック軟膏を適切に使用すれば改善しますが、使用を中止すると再び赤くなることがあるため、治療法に工夫が必要です。また、ステロイド外用剤を長期間使用しすぎると、酒さ様皮膚炎という赤みが残る症状が現れる場合があります。このような場合には、イオン導入やレーザー治療を行うことがあります。
酒さ(しゅさ)
お酒を飲んだ時のように鼻や頬が赤くなる病気です。原因はまだ解明されていませんが、お酒の飲み過ぎが直接の原因ではありません。紫外線や温度の変化、緊張、お酒、香辛料などが影響し、顔の赤みやほてりが悪化します。また、時間が経つと赤みが眉間やあごに広がり、にきびのようなブツブツが現れることもあります。

この赤みに対してはレーザー治療、ブツブツがある場合は抗生剤を併用します。強く洗顔すると悪化するため、優しく洗うようにしましょう。
酒さ様皮膚炎
酒さ様皮膚炎は、酒さと同様に頬や口の周りが赤くなる病気です。しかし、酒さとは異なり、この病気の原因はステロイド外用剤の副作用とされています。症状が進行すると、ブツブツが現れることもあります。治療にはステロイド外用剤を中止し、プロトピック軟膏などの別のぬり薬に切り替えます。症状が安定した後には、イオン導入やレーザー治療を行うことがあります。
毛細血管拡張
鼻や頬(ほほ)に線状の細い血管が浮き上がって見える病気です。
酒さや酒さ様皮膚炎と異なり、多くは顔の一部だけに赤みを認めます。
細い血管に沿ってレーザーをあてることで、症状は改善します。

にきび(尋常性ざ瘡)
にきびも悪くなると赤みの原因になります。
その他赤いシミやできもの
老人性血管腫
体や手足にできる小さな赤いできものです。老人性と名前がついていますが、30歳頃からできる人もいるので、英語ではサクランボ色血管腫といわれています。徐々に数が増えていきますので、気になる場合はレーザー治療をお勧めしています。大きい場合は、手術を行うこともあります。

その他の赤いできもの
赤色のできものはレーザーで改善する場合があります。診察時にご相談下さい。

手足の血管拡張
血管拡張
皮膚の細い血管が線状に浮き上がって見える病気で、腰から下に多くみられます。特に、長い時間歩く人や立ち仕事の人生じやすいです。細いものはレーザー治療で改善しますが、太い血管拡張(静脈瘤)は手術をしないと改善しない場合があります。

赤いあざ(生まれた時からあるもの)
子供の赤あざ(苺状血管腫・イチゴ状血管腫)
イチゴ状血管腫は、初めは平らですが、生後数ヶ月頃から徐々に盛り上がります。最終的にはほとんどが自然に消失し、約7割が7歳までに消退すると言われています。ただし、赤色が取れた後も盛り上がった部分にシワが残ることがあるため、なるべく早めに頻回のレーザー治療を行うことが推奨されています。盛り上がった場合は、レーザー治療に加えて冷凍治療やステロイドの局部注射を行うことで早期に小さくすることが期待されます。

子供の時にできて、大人になっても残る赤あざ(単純性血管腫)
単純性血管腫は、イチゴ状血管腫とは異なり自然には消失しません(例外的に眉間にできたものは自然に消失します)。大人になると一部が盛り上がることがあります。レーザー治療が唯一の有効な治療法で、色は薄くなりますが、数ヶ月ごとに5~10回の照射が必要です。


赤ら顔には医療レーザー治療
- 赤ら顔の原因の毛細血管だけを破壊させることで、赤みを薄くします。
- 痛みは我慢できることがほとんどです。我慢できない場合は、麻酔のテープを使います。
- 照射直後からお化粧をすることが可能です。入浴も差しつかえありません。
- 照射後、赤くはれることがありますが、ほとんどは翌日には消失します。
- 照射後、内出血することがありますが、2週間程度で自然に治ります。
- 一度の治療でも改善することがありますが、通常は複数回の照射が必要です。
当院の医療レーザー治療
一般的なレーザーと比べて、当院のレーザーは次の点で優れています。
1)副作用が少なくなりました。
皮膚を冷やす冷却装置の内蔵により、照射による熱から皮膚を守れるので、紫斑などの副作用が少なくなりました。
2)太い血管も治療できるようになりました。
レーザーを当てている時間を長く出来たこと、冷却装置により強いエネルギーを当てられるようになったことがその理由です。
