帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛とは
帯状疱疹は、子供の頃にかかる水ぼうそうと同じヘルペスウイルスが原因で発症します。このウイルスは、水ぼうそうが治った後も脊髄の神経節に潜伏し、普段は活動しません。しかし、疲労や免疫力の低下によって再び活性化し、帯状疱疹として現れます。
特徴的な症状
- 片側だけに現れる痛みと発疹:体や顔の右または左の一方に、おび状(ベルト状)に痛みや赤いブツブツが出現。
- 発症から治癒まで:治療により10日~2週間ほどで改善します。
- 帯状疱疹後神経痛:痛みが治った後も一部の人で痛みが長期間残ることがあり、これを「帯状疱疹後神経痛」と呼びます。この神経症状が見られる場合は、神経内科の診察をおすすめします。

その他の症状と注意点
- 頭痛や麻痺、目の症状:まれに発生するため注意が必要です。
帯状疱疹は、顔や体の片側に強い痛みが伴うことが特徴的です。気になる症状がある場合は早めの受診をお勧めします。
治療方法
細胞の中で増えているヘルペスウイルスを殺す薬を飲んでいただきます。症状が出てからなるべく早く服用することが大切です。 痛みに対しては痛み止めを処方します。
帯状疱疹後神経痛に関しては、リリカやトラムセットなどの内服薬で、神経痛を緩和します。
帯状疱疹は早期治療が回復の鍵です。痛みや神経痛が長引く場合は、適切な薬で症状の改善を目指します。最近では帯状疱疹の予防接種もありますので、接種をおすすめします。
日常のケア
- 十分な休養を取る:帯状疱疹は、疲労や免疫力の低下が引き金になることが多いため、しっかり休むことが大切です。
- 入浴時の注意:入浴は可能ですが、患部をこすらないように注意しましょう。また、使用するタオルは他の人と共有しないことで感染を防ぎます。
- アルコールを控える:アルコールは体の炎症を悪化させる可能性があるため、控えるようにしましょう。
- 適切な温度管理:痛みがある場合は、冷やすのではなく、心地よい程度に温めることで痛みを和らげます。

帯状疱疹ワクチン
ワクチンは2種類あります。シングリックスの方が予防効果が高く、効果が持続する期間も2倍の長さです。一方、水痘ワクチンはシングリックスに比べ投与部位の痛みなどの副反応が少なく、接種が一回だけで済むのが特徴です。お勧めは効果の高いシングリックス。高岡市の助成も今回だけです。効果が長く続くのもうれしいですね。

Q&A
A:水ぶくれの中にウイルスがたくさんいるので、水ぼうそうにかかったことのない人には、直接の接触やタオルなどを介して水ぼうそうとしてうつります。唾液中にもウイルスが少しいる可能性があるので、小さい子供や妊婦との接触は、水ぶくれがカサブタになるまでは避けて下さい。
A:帯状疱疹の診断は水ぶくれが出ないと確実にはできません。しかし痛みのみで帯状疱疹が強く疑われる時は、抗ウイルス剤を水ぶくれが出る前に使う場合があります。診察時にご相談下さい。
A:鼻に水ぶくれが出ている場合、結膜炎や角膜炎などの目の症状が出やすいと言われています。
A:耳に水ぶくれが生じた場合、顔面神経麻痺やめまいを伴うことが多くハント症候群と呼ばれています。早期にステロイド薬の内服や点滴が必要です。