目の下の白いぶつぶつ(稗粒腫)取れますか? 

年とともに少しずつ増える 顔や手の甲の小さな「でき物」。同じようにみえても簡単に取れる物から手術が必要な物まで色々な種類があり、たいがいは1人の人に複数のでき物が混在しています。レーザー治療が必要と考えて相談に来る方もいますが、多くは保険診療で認められている方法で対応できますよ。

稗粒腫顔の小さな「でき物」の1回目は写真にある「稗粒腫」(ひりゅうしゅ、はいりゅうしゅ)です。子供でも大人でもみられ、なぜか目の周りによくできます。

取るのは簡単です。

注射針の先で「稗粒腫」のてっぺんを切って、中味を押し出せば、白く丸い角質の塊が出てきます
ただ、ちょっと痛いです。
取った後は少し赤くなりますが、数日で消えていくと思います。

中に貯まっている角質とは、いわゆる「垢(あか)」のことですが、洗顔をしなくて不潔だから出来たわけではありません。
よく「どうしてできるの?」と聞かれますが、特に理由はありません。
ネットで調べると、「脂っこい物を食べすぎないように」と書かれているサイトを見かけますが、「にきび」とは違う病気なので、そんなことはありません。

処置料は3割負担の方で数個ほどなら220円です。

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富山県高岡市駅南3-5-33
皮膚科神経内科 白崎医院
TEL: 0766-25-0012
HP: https://shirasaki-hifuka.com
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治らないイボの手術治療

イボ手術前2足の裏のイボ。液体窒素で凍らせる方法が標準的な方法です。

しかし、10回以上やってもなかなか取れない場合があります。

モノクロロ酢酸、フェノール、ビタミンD3、スピール膏、ヨクイニン内服など他の追加治療を行っても治らない場合は手術治療も1つの方法です。

 

 

いぼ手術3ヵ月後上の写真は当院でイボを切除した方です。注射の麻酔の後、メスでイボをくり抜きました。手術後のくり抜いたキズ穴は少し厚みのあるガーゼで保護すれば徐々にうまっていき、3ヵ月後には下の写真のようにきれいに治ります。ただし手術直後は少し痛みがあり歩きづらいと思います。

治療してもどうしても取れないイボで困っている場合はご相談下さい。

 

 

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偽ニキビに気をつけて 扁平イボ

「先生”ためしてがってん”見たんですか?」

前回ブログに書いたマラセチア毛包炎のことでスタッフに言われ、さっそくNHKのHPを確認。すると、「偽ニキビに気をつけて」という内容が7月30日に放送されていました。マラセチア毛包炎はあまり有名な病気ではないので、僕もブログで書きながら「ちょっとマニアック過ぎるかな」と思っていましたが、さすがNHK、上手にまとめていました。

扁平いぼ

 

もう1つの偽ニキビとして紹介されていたのが扁平イボ。ウイルスが感染してできるうつる病気です。にきびのように顔にぷつぷつができますが、少しだけ形や色が異なります。毛ぞりやステロイド外用剤をつけて増やす人が多く、知らないうちにたくさん出来ていたという場合もあります。

写真の方も同じ感じで受診。これから超低温の液体窒素で1つ1つイボを凍らせてウイルスが感染した細胞を殺し、新しい細胞に再生させる予定です。結構回数が必要な治療なので、変だと思ったら早めに見せて下さいね。

ちなみに”ためしてがってん”を教えてくれたスタッフ、「私、テレビに出た写真を見てすぐに偽ニキビの病名が全部わかりました」と。頼もしい限りです。

そのかゆみ、汗によるじんま疹かも

汗をかいた後にかゆくなると「あせも」と単純に考えていませんか? 実は「じんま疹」でかゆくなることも結構多いんです(このじんま疹はコリンという物質が関係しているとためコリン性じんま疹と呼ばれています)。

「かゆみはぬり薬で治るからどっちの病気でもいいんじゃない?」と思うかもしれませんが、「じんま疹」だけは例外で、治療に飲み薬が必要です。

コリン性じんま疹「あせも」 と「じんま疹」。同じように赤くかゆくなる病気ですが、「あせも」は一度赤くなると数日続くのに対し、「じんま疹」は早いと1時間、長くても翌朝までには消えてしまうのが違いです。「じんま疹」は虫刺されのようにぷくっと盛り上がるイメージですが、写真のように小さいじんま疹もあり、場合によっては赤みが目立たずかゆいだけのことも。「小さな赤いぶつぶつがお風呂上がりなどに出て、翌朝見たら消えていた」という感じで患者さんは話されます。

汗によるじんま疹が毎日でていたり、かゆみが強い場合は飲み薬を試してみましょう。夕方やお風呂の前に薬を飲めば「じんま疹」をおさえられることが多いです。10分程で効果が出始める薬もあるので、かゆくなったらすぐに薬を飲む方法もありますよ。お風呂の温度を下げることも有効ですし、乾燥肌の人に出やすいので風呂上がりは保湿剤を使った方がいいですね。

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低温やけどにご注意を

寒い日が続いていますが、「湯たんぽやカイロが手放せない」という人は“低温やけど”に注意しましょう。

低い温度でもやけどになります
44℃という熱めのお風呂くらいの温度で6時間、46℃で1時間半、50℃では3分程でやけどになります。湯たんぽの表面温度はカバーをつけても45℃以上が6時間は続きます。カイロ、床暖房、膝の上に置いたノートパソコンにも注意が必要です。

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低温やけどが発生する状況は
接触時間の他に、皮膚への圧迫も関与しています。皮膚の中を流れる血液の循環は、冷却装置のように皮膚に熱が貯まるのを防いでいますが、圧迫により血液の流れが滞ると、熱が皮膚に蓄積されてしまいます。したがって、熟睡、泥酔、睡眠薬の使用、寝たきり状態などあまり体を動かさない状況で生じやすくなります。

20140212-nurse4軽症にみえても油断できません
初期は軽症にみえますが、しばらくすると黒く変色し、深い傷になるのが低温やけどの特徴です。見た目より深くなるのは、お湯による通常のやけどが皮膚の表面ほど傷害が強いのに対し、低温やけどは皮膚の深部ほど強く傷害されるためです。

使わないのが一番です
低温やけどは小さくても治癒まで1~2ヵ月かかりますし、必ず傷跡が残ります。最も簡単な予防方法は湯たんぽやカイロを使わないことです。湯たんぽはエコですが、自分の皮膚を痛めては仕方がありません。電気毛布を寝る直前までつけておくなどの工夫をして、寒い冬を乗り切りましょう。

毛孔性苔癬(二の腕のブツブツ)のレーザー治療

二の腕のブツブツが気になります!

毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)は二の腕(うで)の毛穴が写真のように硬くブツブツになりザラザラした感じがする病気です。親からの遺伝の要素が強く、30才までには自然になくなると言われています。しかし、実際は30代でも残っていたり、顔にも同じような症状が出る場合もあります。また、ざらざら感が強い方は、うでを出す季節になると気になると思います。

ただ残念ながら、この毛孔性苔癬を改善する良い方法はいまのところありません。保険診療では保湿剤を使って頂く事が多いのですが、効果は限定的です。

毛孔性苔癬がレーザーで改善する場合があります

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一方、脱毛用のレーザーを2~3回当てると、写真のようにざらざら感が目立ちにくくなる場合があります。ただし、この効果は限定的で、数ヶ月で元にもどることがほとんどです。「夏前に処理をして目立ちにくくしておく」、というやり方がいいと思います。

費用は1回10,500円(両二の腕の外側)です。ご希望の方は受診時にお尋ね下さい。

仲良し

 

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円形脱毛症の局所免疫療法

円形脱毛症は、その名のとおり円形に脱毛が生じる病気です。10円玉大ほどの大きさで抜けることが多いですが、もっと大きいこともあり、個数も1個のことから複数個の場合があります。また、ひどくなると頭の毛がすべて、さらには全身の体毛まで抜けることがあります。

 原因はわかっていませんが、免疫を担当しているリンパ球が誤って毛根を攻撃するために毛が抜けると考えられています。毛は抜けますが、毛を生み出す幹細胞は攻撃されず残るので、永久脱毛になることは稀な病気です。

 最近、日本皮膚科学会から円形脱毛症の治療指針が発表され公開されています。当院で行っている治療はおおむねこの新しい治療指針に準拠しています(当院の治療方法はこちら)。この中で、局所免疫療法は25%以上の毛が抜けている人に行うように勧められる治療として位置づけられています。

 局所免疫療法とは、SADBEあるいはDPCPという合成化学物質を用いて、故意に脱毛部に”かぶれ”を起こし、皮膚の免疫の働きを正常化する方法です。



 この局所免疫療法は50~60%の方に有効です。すべての人に効くわけではありませんが、これ以上に効果のある方法はこれまで開発されていないので、試みてもよい方法と考えています。副作用はかぶれすぎる場合があることです。処置後に痒みや赤みが強くでたり、ただれたりすることがあります。内臓への影響や発癌性は現在のところ知られていません。

具体的のやり方は以下の通りです。
1) 故意に”かぶれ”を起こすには、まずSADBEあるいはDPCPを体に覚えさせる必要があります。そのために濃い濃度の液体を脱毛部に2日間貼り付けてもらいます。
2) 貼ったあと徐々にかゆみが出てきます。かゆみが我慢できない場合は2日間待たずにはずして下さい。はずした段階で痒みやただれがひどい場合は受診して下さい。貼っている間は頭を水で濡らさないようにして下さい。
3) 貼ってから2~3週間で体はこれらの化学物質を覚えるので、非常に薄い濃度の液体を脱毛部に1~2週間ごとにハケでぬっていきます。ぬる液体の濃度は塗布後のかゆみや赤みを参考にしながら徐々に濃くしていきます。

 この局所免疫療法は子供さんからでも行える治療です。治りにくい円形脱毛症でお悩みの方は一度相談に来て下さい。