治りにくいアトピーの治療法について
こんなお悩みありませんか??
・なかなかぬり薬だけではアトピーが良くならない!
・強い薬ばかり使ってしまう・・
・塗る範囲が広すぎて毎日一苦労・・
↓
そんな方は、ぬり薬以外の治療も考えてみましょう
目次
STEP1:アトピー治療の3本柱(パッチテストとは)
STEP2:なかなか治らない時の次の一手(紫外線治療について)
STEP3:バイオ医薬品を使った最新の注射治療法(バイオ医薬品とは・バイオ医薬品の値段)
コラム :昔からある飲み薬(シクロスポリンとは)
STEP1 アトピー治療の3本柱
薬を使うだけがアトピーの治療ではありません。
保湿剤を使ったスキンケアや悪化因子対策も大切です。毎日使うシャンプー、化粧品、
金属、ゴム製品などがいつの間にか合わなくなり悪化因子になる場合も。
血液検査やパッチテストで早めに確認しておきましょう。
パッチテストとは
かぶれの原因と思われる成分を、皮膚に貼り、数日後に
その部分が赤くなっているかどうかを判定する検査です。
2〜3日後と7日後に来院する必要があります。
Step2 なかなか治らない時の次の一手
まず紫外線治療を追加してみましょう
昔から日光浴がアトピーを改善させることが経験的に知られていました。
このことを治療に応用するため、有害な紫外線を極力減らし、効果のある
紫外線だけを出すランプが開発されました。
紫外線はアトピーを悪化させる炎症を減らし、過敏になった痒み神経の
活性化も抑えます。治療時間は30秒〜3分で、1〜2週に1度の頻度で、
ある程度の期間繰り返して行います。
当院には全身を照射できるナローバンドUVBと、スポットで気になると
ころに照射するエキシマの2つを治療に利用しています。例えばエキシマは
頭皮のアトピーや爪の変形にも対応可能です。
デメリットは少し色素沈着が目立つ場合があることです。500回以上の
照射で皮膚がんのリスクが少し上がります。内臓への副作用がないのが
良いところです。
STEP3 バイオ医薬品を使った最新の注射治療法
バイオ医薬品とは
アトピーの免疫異常の中心は活性化したリンパ球です。このリンパ球がIL-4や
IL-13を放出すると、かゆみなどの症状が引き起こされます。最近の科学技術
の進歩はIL-4やIL-13をピンポイントで抑えることを可能にしました。
2018年に最初に発表したされたデュピクセントは効果が高く副作用の少ない
治療を実現し、なんと生後半年の赤ちゃんから認可されています。ただ、薬剤費
は高額で3ヶ月分で8万円ほどです(平均年収の方。下参照)。2〜4週に1回
注射します。自宅で自分で注射可能な製剤です。
一方、かゆみがより強く、掻くことで治りが悪く、しこりができる人は、IL-31
を抑えるミチーガという薬を使う場合があります。
バイオ医薬品の値段
日本の医療費は現役世代の場合、自己負担額が3割分と決まっています。さらに、
医療費が高額の時はその負担を軽くする仕組みがあり、これは年収や働いている
会社によって異なります。制度を知って上手く使うことが大切です。
参考までに、デュピクセント300mg1本の値段は約6.1万円(現役世代の方の
自己負担額は約1.8万円)です。
3ヶ月分の薬剤費です。あなたはどこに該当しますか?
①高校生以下、ひとり親家族:無料
②70歳以上:1.8万円。現役並みの収入の方は以下へ
③公務員:付加給付あり。2.5万円
④上場企業で勤務:付加給付があれば2.5〜3.5万円(会社に確認を)
⑤①〜④でない場合は年収を確認
a) 年収370万〜770万(標準報酬月額26〜50万円)
薬8万円(年間4回目からは約4.4万円)
b) 年収が a)より低い:約5.7万円(年間4回目からは約4.4万円)
c) 年収が a)より高い:負担軽減の仕組みが使えない。確定申告で医療費控除を
昔からある飲み薬 -シクロスポリンとは-
過敏に活性化された免疫を抑える飲み薬です。効果はありますが、感染症が悪化
しやすい、高血圧、腎障害などの副作用もあります。そのため定期的な採血や
血圧測定が必要です。
一方、すでに後発薬もある古い薬で、薬剤費は3割負担の人で1ヶ月約3000円
です。デュピクセントと比べ効果は劣り副作用もありますが、安価です。
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皮膚科神経内科 白崎医院
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