髪の毛のこんなお悩みありませんか?
- 最近髪の毛が細くなってきた
- シャンプー後に抜け毛が目立つ
- 朝起きたときの枕に付く抜け毛が気になる
- 相手の視線が気になる
- 親がAGA 自分もそうならないか心配

AGA(男性型脱毛症)とは
- 思春期以降に始まり、徐々に進行する
- 額の生え際や頭頂部の髪が、どちらか一方、または双方から薄くなり進行する
- うぶ毛のような十分に育たない髪の毛が多くなる
- 太くしっかりとした髪の毛が、細く短めの髪の毛になり、頭皮が透けて見えるようになる
- 両親、兄弟、祖父母に脱毛症を認めることが多い


額の生え際や頭頂部の毛が年齢とともに細く少なくなっていくのがAGAで、図のような特徴があります。AGAの人は全国で1,260万人もいるといわれています。これは成人男性の3人に1人に当たります。AGAはゆっくりですが、徐々に進行していくので、気になるなら、まだうぶ毛が残っているうちに対処しましょう。なぜなら、毛穴がなくなり、頭皮がつるつるになると薬をいくら飲んでも発毛は難しくなるからです。
どうしてAGA(男性型脱毛症)になるの?
髪の毛は健康な状態でも約2~6年で抜けてしまいますが、この期間に十分成長することで、太くコシのある状態を保つことができます。しかし、AGAは男性ホルモンの影響で、毛の成長する期間が短縮し、数ヶ月~1年ぐらいで抜けてしまいます。そのため、十分に成長できず細い毛しか生えてきません。
AGAの特徴は、額の生え際や頭頂部の毛が薄くなる一方で、側頭部や後頭部の毛は残る点です。

この違いは「II型5α還元酵素」の分布が関係しています。この酵素は、男性ホルモンであるテストステロンを、より活性の高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換します。DHTは髪の成長を抑制するため、酵素が多い前頭部や頭頂部で髪が薄くなります。しかし、側頭部や後頭部ではこの酵素が少ないため、髪が抜けにくいのです。
AGAは進行性の症状ですが、早期のケアによって進行を遅らせることが可能です。髪の健康を守るために、正しい知識を持つことが大切です。
治療方法

AGA治療には、プロペシアとザガーロという2つの薬があります。プロペシアは2005年に、ザガーロは2016年に発売されました。どちらの薬も医師の診察が必要で、毎日1回飲むことで効果が得られます。この2つの薬はいずれも医師の診察が必要で、1日1回服用を続けることで効果を発揮します。どちらも「5α還元酵素」を抑えることで、発毛を妨げるDHTの量を減らし、額の生え際や頭頂部の毛を増やす働きをします。
では、これら2つの薬にはどんな違いがあるのでしょうか?
主な違いは以下の3点です:
- ブロックする酵素の種類
プロペシアは「2型5α還元酵素」のみを抑制しますが、ザガーロは「1型」と「2型」の両方を抑制します。 - 酵素阻害の強さ
ザガーロは2型5α還元酵素をより強力に抑制します。具体的には、阻害濃度がプロペシアよりも低いため、より効率的に働きます。 - 薬の持続時間
ザガーロは体内に長く留まるため、効果が持続しやすい特徴があります。ザガーロの半減期は約3.4週間で、プロペシアの4.1時間と比べて大幅に長いです。

2型5α還元酵素は頭髪の中でもAGAが生じる頭頂部と前頭部、ヒゲ、前立腺に、1型は2型が見られる場所に加え、頭髪全体、腎臓、副腎、肝臓などにも広く分布しています。 従って、AGAには2型5α還元酵素がより関係していると思われます。ザガーロは1型5α還元酵素も抑制するため、より広い範囲に働きかけると考えられています。実際に医学論文では、ザガーロがプロペシアより発毛効果が高いことが報告されています。
AGAの治療薬を選ぶ際には、それぞれの特徴を理解し、自分に合った治療を見つけることが大切です。詳しい情報は当院のブログ「新しいAGAの飲み薬〜ザガーロ〜」をご覧ください。また、オルミエントよる円形脱毛症治療も新しく追加されました。
プロペシア(フィナステリド)

20~50才の日本人男性でAGAの方が「プロペシア」1日1錠服用した場合、1年後に58%の方の薄毛改善が確認されています。「プロペシア」の特徴は発売後10年以上経っているため、①副作用に関して既知のもの(重大は副作用は肝機能障害のみ)以上はないと考えられること、②ザガーロより安いこと、です。
詳細は[ブログ:プロペシアの後発品が発売]をご覧下さい。
【用法】1日1回の服用
【期間】半年以上の継続した服用が必要
【後発品】フィナステリド
ザガーロ(デュタステリド)

「ザガーロ」はI型とII型両方の5α還元酵素を抑える薬です。頭頂部に関しては「プロペシア」に比べて1.5倍の発毛が見られ、「プロペシア」では効果が出にくかった前頭部も「ザガーロ」では発毛がしっかり確認されています。また、2020年に特許が切れて後発品が販売され価格も安くなりました。しっかりとした効果を期待する方は「ザガーロ」をお勧めします。
詳細は[ブログ:新しいAGAの飲み薬 ~ザガーロ~]をご覧下さい。
【用法】1日1回の服用
【期間】半年以上の継続した服用が必要
【後発品】デュタステリド
AGA(男性型脱毛症)診療 価格表
フィナステリド初診(28日分)※プロペシアの後発品
8,800円
フィナステリド再診(28日分)
8,250円
デュタステリド初診(30日分)※ザガーロの後発品
10,450円
デュタステリド再診(30日分)
8,800円
Q&A
A:AGAには遺伝が関係しています。実際、本人以外に父や祖父、おじなど家族の他の人にもAGAがみられる家系があると思います。しかし、どの遺伝子が原因かはまだ特定されていません。例えばDHTが結合する「アンドロゲン受容体」の遺伝子に個人差がありAGAのなりやすさと関係すると言われていますが、他の遺伝子の関与も指摘されていて、どうも複数の遺伝子が関わっているようです。
A:残念ながらすぐに効果は出ません。早い人でも4~6ヵ月程度かかり、最初は「抜け毛が減る」「毛が太くなる」「少し毛が増える」などの効果を感じます。
A:すぐにではありませんが、しばらくするとまた毛が抜けるようになります。治療薬は気にならなくなるまで、ある程度継続する必要があります。
A:日本皮膚科学会のガイドラインでは処方薬の「プロペシア」と「サガーロ」、育毛剤の「リアップ」以外の治療法は推奨度が低くなっています。「リアップ」は単独で使うより「プロペシア」と一緒に使った方がより効果が高いことが知られています。したがって、飲み薬を使ってみて、さらに効果を求める場合は「リアップ」を併用するのも1つの方法です。
A:残念ながら使えません。妊娠可能年齢の女性の服用で、子供の外性器に奇形が生じるからです。また更年期以降の女性への使用は効果がみられないことがわかっています。