帯状疱疹はワクチンで予防出来るように
★2020年から下記のワクチンの他にシングリックスが認可されています。詳細はこちらのブログをご覧下さい。
帯状疱疹ワクチンが認可されました
2016年3月に帯状疱疹のワクチンが50歳以上の方に認可されました。
何も帯状疱疹用の新しいワクチンが出来たわけではなく、子供に使っている水痘(水ぼうそう)のワクチンを流用します。
水痘も帯状疱疹も同じ水痘-帯状疱疹ウイルスによる感染症です。違いは水痘が初めて感染した時の、帯状疱疹が体内に残っているこのウイルスが2回目に活性化した時の病名で、同じウイルスなので、同じワクチンで予防出来ます。子供の時の水痘への罹患で体内に抗体が作られますが、年とともに徐々に抗体量が減っていくと帯状疱疹が発症します。
帯状疱疹ワクチンの効果
効果は10年前の論文で明らかになっていて、アメリカでは7年前から使用されていました。60歳以上の方の帯状疱疹の発症を約半分に、帯状疱疹後に生じる神経痛を3分の1減らす効果があります(下図)。効果はありますが、ワクチンを打てば絶対に帯状疱疹にならないわけではありません。インフルエンザワクチンと同じですね。
帯状疱疹は80歳までに3人に1人がかかるありふれた病気で、高齢化にともないその患者数は増加しています。この病気の問題点は一部の人に神経痛が残ることです。
同時に水ぶくれもできますが、これは10日程で乾いて良くなります。また、多くの人の神経痛も徐々に良くなっていきますが、一部の、特に高齢者で痛みがなかなか引かない人がいらっしゃいます。
神経痛の治療薬もここ5年程で新しい薬がいくつか適応になり選択肢が増えましたが、それでも痛みが残る人がいるので、ワクチンで予防した方が良いですね。
費用は1回8,250円(税込)。予約不要です。皮膚科の診療時間内にお越し下さい。
以下LINEに投稿したQ&Aです。
Q)対象の方は?
A)50才以上のかたです。弱毒生ワクチンのため他の病気で飲み薬のステロイドや免疫抑制剤、生物製剤の注射を受けている方は接種できません。
Q)どうして帯状疱疹を予防した方がいいの?
A)帯状疱疹を軽くすませ、痛みが長く続く帯状疱疹後神経痛への移行を減らすためです。帯状疱疹は80才までに3人に1人がかかるありふれた病気で、15年前に比べ1.3倍増加しています。帯状疱疹には特効薬があり皮膚症状は10〜14日程でよくなりますが、そのうち7人に1人が帯状疱疹後神経痛に移行します。
Q)自分に帯状疱疹に対する免疫が残っているか調べられますか?
A)薄めた「水痘ワクチン」をうでの皮ふに少量注射して、翌日赤くなるかで調べます。この反応は年齢とともに低下することが知られ、赤みが5mm未満の人が帯状疱疹後神経痛になるリスクは5mm以上の人の14倍と計算されています。 一度帯状疱疹になった人もこの反応をみればもう一度帯状疱疹になるかを予測することができます。
Q)「水痘ワクチン」の予防効果は?
A)帯状疱疹を半減させ、帯状疱疹後神経痛を3分の1に減らす効果があります。水痘ワクチンにより免疫を高めておくと、帯状疱疹にかかったとしても症状は軽く済みます。
Q)「水痘ワクチン」の副反応は?
A)多いものは注射部位の赤みや硬結、痛みです。時に発疹や倦怠感が出現することがあります。まれな副反応にアナフィラキシーと血小板の低下があります。アナフィラキシーは投与30分以内に生じるので、注射後はしばらく院内にいてもらいます。
Q)費用は?
A)税込みで8,250円です。